姿勢ジャーナル

産後の2ヶ月間は、回復させることに集中したいけど、そうもいかないですよね

トップ› 姿勢ジャーナル› 産後ケア 産後ケア 産後の2ヶ月間は、回復させることに集中したいけど、そうもいかないですよね 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.08 皆さんこんにちは。「産後ずっと、腰が痛くて」——整骨院でいちばん多い、女性の患者さんからの訴えです。その多くが、産後に無理をしたことと深く関係しています。出産後の約2ヶ月間は、骨盤が回復する特別な時期です。この大切な時期に体を酷使したり、無理に姿勢を正そうとすることで、慢性的な腰痛だけでなく、産後母体症候群のような重篤な問題につながることもあります。だからこそ、この2ヶ月間を丁寧に過ごすことが、自分と家族の未来を守ることになります。 そもそも、腰は "体の中心" です 少し大きな話をすると、腰というのは人間の体の 構造上のかなめです。立っているときに私たちが倒れずに済んでいるのは、腰が常に細かく動いてバランスを取ってくれているから。一本の棒を手のひらに立てるとき、私たちは無意識に手を細かく動かして倒れないようにします。あれと同じことが、腰でも起きているのです。 腰は、頭とおしりの中間にあって、地球の重力に対して体がどっちに傾いているかを常に感じ取り、揺らぎながらバランスを修正している——とても繊細な場所です。だから、腰がきちんと動ける状態であることが、姿勢の前提になります。 産後の腰に、何が起きているのか 産後の腰痛には、いくつかの理由が重なっています。整骨院でお話を伺っていて共通して見えてくるのは、次のようなことです。 骨盤の "要" がゆるんでいる:骨盤の関節(仙腸関節という、構造上の中心になる関節)は、出産でゆるみます。これが時間をかけて元の締まりを取り戻していくのですが、その間は腰回りの土台が不安定で、ちょっとした衝撃や偏った動作が大きな負担になります。 抱っこ・授乳が、骨格を歪めてしまう:いつでもどこでも始まる授乳。昼夜を問わず抱っこ。そんな時にいちいち自分の姿勢に注意を払っていられません。不良姿勢での育児作業が骨格をさらに歪めてしまいます。 休む時間が取れない:体は本来、一日の3分の2は活動して、3分の1は休むようにできています。産後はそのリズムが大きく崩れる時期。休む時間が足りないと、緊張がほぐれないまま次の日が始まります。 なぜ、この2ヶ月間に無理をしてはいけないのか 骨盤の関節(仙腸関節)は、出産でゆるみます。これが元の締まりを取り戻すには、おおよそ2ヶ月ほどかかります。この期間は、体が正常な状態に戻ろうとしている大切な回復過程です。ところが、この時期に重い荷物を持ち続けたり、慢性的な睡眠不足で過ごしたり、無理に「正しい姿勢」を保とうと力んだりすると、回復を妨げるだけでなく、倦怠感・慢性疲労・関節痛・ホルモンバランスの乱れが長期に続く 産後母体症候群 につながることもあります。 この2ヶ月間は、頑張る時期ではなく、回復させる時期です。自分の体をいたわることが、自分と家族を守ることになります。...

産後の2ヶ月間は、回復させることに集中したいけど、そうもいかないですよね

トップ› 姿勢ジャーナル› 産後ケア 産後ケア 産後の2ヶ月間は、回復させることに集中したいけど、そうもいかないですよね 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.08 皆さんこんにちは。「産後ずっと、腰が痛くて」——整骨院でいちばん多い、女性の患者さんからの訴えです。その多くが、産後に無理をしたことと深く関係しています。出産後の約2ヶ月間は、骨盤が回復する特別な時期です。この大切な時期に体を酷使したり、無理に姿勢を正そうとすることで、慢性的な腰痛だけでなく、産後母体症候群のような重篤な問題につながることもあります。だからこそ、この2ヶ月間を丁寧に過ごすことが、自分と家族の未来を守ることになります。 そもそも、腰は "体の中心" です 少し大きな話をすると、腰というのは人間の体の 構造上のかなめです。立っているときに私たちが倒れずに済んでいるのは、腰が常に細かく動いてバランスを取ってくれているから。一本の棒を手のひらに立てるとき、私たちは無意識に手を細かく動かして倒れないようにします。あれと同じことが、腰でも起きているのです。 腰は、頭とおしりの中間にあって、地球の重力に対して体がどっちに傾いているかを常に感じ取り、揺らぎながらバランスを修正している——とても繊細な場所です。だから、腰がきちんと動ける状態であることが、姿勢の前提になります。 産後の腰に、何が起きているのか 産後の腰痛には、いくつかの理由が重なっています。整骨院でお話を伺っていて共通して見えてくるのは、次のようなことです。 骨盤の "要" がゆるんでいる:骨盤の関節(仙腸関節という、構造上の中心になる関節)は、出産でゆるみます。これが時間をかけて元の締まりを取り戻していくのですが、その間は腰回りの土台が不安定で、ちょっとした衝撃や偏った動作が大きな負担になります。 抱っこ・授乳が、骨格を歪めてしまう:いつでもどこでも始まる授乳。昼夜を問わず抱っこ。そんな時にいちいち自分の姿勢に注意を払っていられません。不良姿勢での育児作業が骨格をさらに歪めてしまいます。 休む時間が取れない:体は本来、一日の3分の2は活動して、3分の1は休むようにできています。産後はそのリズムが大きく崩れる時期。休む時間が足りないと、緊張がほぐれないまま次の日が始まります。 なぜ、この2ヶ月間に無理をしてはいけないのか 骨盤の関節(仙腸関節)は、出産でゆるみます。これが元の締まりを取り戻すには、おおよそ2ヶ月ほどかかります。この期間は、体が正常な状態に戻ろうとしている大切な回復過程です。ところが、この時期に重い荷物を持ち続けたり、慢性的な睡眠不足で過ごしたり、無理に「正しい姿勢」を保とうと力んだりすると、回復を妨げるだけでなく、倦怠感・慢性疲労・関節痛・ホルモンバランスの乱れが長期に続く 産後母体症候群 につながることもあります。 この2ヶ月間は、頑張る時期ではなく、回復させる時期です。自分の体をいたわることが、自分と家族を守ることになります。...

良い姿勢って、じっと固めるものじゃないんです。

トップ› 姿勢ジャーナル› 子どもの姿勢 子どもの姿勢 良い姿勢って、じっと固めるものじゃないんです。 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.18 皆さんこんにちは。「背すじ伸ばしなさい!」「ほら、また丸まってる!」——お子さんに毎日のように声をかけているご家庭、本当に多いと思います。けれど、ここでひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。そもそも "良い姿勢" というのは、じっと固めるものではないのです。 良い姿勢は、常に微かに揺れている 姿勢のお話をするとき、私はよく「一本の棒を手のひらに立てる」例をお話しします。棒を倒さないでいるためには、手を細かく動かして揺らぎながらバランスを取りますよね。何もしないでじっとしていたら、棒はすぐに倒れてしまいます。 人の体も、まったく同じです。私たちは 常に微かに揺れることで、姿勢を保っているのです。立っていても、座っていても、です。腰や背骨は地球の重力に対して "倒れないように" 細かく動き続けています。揺らぎがあるから、姿勢は崩れない。 ということは、「背すじを伸ばして固めなさい」と言うのは、ある意味、体の自然な働きを止めなさいと言っているのと同じになりかねません。子どもが5秒で姿勢を戻してしまうのは、わがままでも反抗でもなく、体が本能的に「揺らぎを取り戻そう」としているからかもしれない——そんなふうに見ると、毎日の "叱る" もちょっと違って感じられないでしょうか。 では、子どもの猫背の "本当の" 原因はどこにあるのか 体育座り、椅子の上での足組み、ソファに寝そべってのタブレット、長時間の前のめりの勉強、スマホ……。これらが繰り返されると、成長期の子どもの背骨と内臓のバランスは確実にゆがんでいきます。実際、近年は子どもの側弯症(背骨が左右に曲がる状態)も増えてきています。日本ではほとんど見られなかったものが、生活様式が欧米化するにつれて多く見られるようになってきたのです。 そして、もうひとつ大事な視点を。子どもの体は、もともと "あらゆる方向に動く" ことで発達するように出来ています。...

良い姿勢って、じっと固めるものじゃないんです。

トップ› 姿勢ジャーナル› 子どもの姿勢 子どもの姿勢 良い姿勢って、じっと固めるものじゃないんです。 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.18 皆さんこんにちは。「背すじ伸ばしなさい!」「ほら、また丸まってる!」——お子さんに毎日のように声をかけているご家庭、本当に多いと思います。けれど、ここでひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。そもそも "良い姿勢" というのは、じっと固めるものではないのです。 良い姿勢は、常に微かに揺れている 姿勢のお話をするとき、私はよく「一本の棒を手のひらに立てる」例をお話しします。棒を倒さないでいるためには、手を細かく動かして揺らぎながらバランスを取りますよね。何もしないでじっとしていたら、棒はすぐに倒れてしまいます。 人の体も、まったく同じです。私たちは 常に微かに揺れることで、姿勢を保っているのです。立っていても、座っていても、です。腰や背骨は地球の重力に対して "倒れないように" 細かく動き続けています。揺らぎがあるから、姿勢は崩れない。 ということは、「背すじを伸ばして固めなさい」と言うのは、ある意味、体の自然な働きを止めなさいと言っているのと同じになりかねません。子どもが5秒で姿勢を戻してしまうのは、わがままでも反抗でもなく、体が本能的に「揺らぎを取り戻そう」としているからかもしれない——そんなふうに見ると、毎日の "叱る" もちょっと違って感じられないでしょうか。 では、子どもの猫背の "本当の" 原因はどこにあるのか 体育座り、椅子の上での足組み、ソファに寝そべってのタブレット、長時間の前のめりの勉強、スマホ……。これらが繰り返されると、成長期の子どもの背骨と内臓のバランスは確実にゆがんでいきます。実際、近年は子どもの側弯症(背骨が左右に曲がる状態)も増えてきています。日本ではほとんど見られなかったものが、生活様式が欧米化するにつれて多く見られるようになってきたのです。 そして、もうひとつ大事な視点を。子どもの体は、もともと "あらゆる方向に動く" ことで発達するように出来ています。...

長時間座っていると、なぜ首がつらくなるのか。

トップ› 姿勢ジャーナル› 在宅ワーク 在宅ワーク 長時間座っていると、なぜ首がつらくなるのか。 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.25 皆さんこんにちは。「朝はそうでもないんですが、夕方になると首と肩がガチガチで……」——整骨院で本当によく聞くお悩みです。けれど、ここでひとつ立ち止まって考えてみたいのです。そもそも、なぜ私たちの体は、長時間座っていると不調を起こすのでしょうか。 そもそも、人間は座り続ける生きものではない 少し大きな話をします。私たち人間は、地上の重力に対応して立ち上がり、歩き続けることで現在のからだを完成させてきました。一日のリズムも、おおむね 3分の2は活動して、3分の1は休む ように出来ています。 ところが現代の在宅ワークは、活動量が減り、座っている時間が一日の大半を占める生活です。これは、体にとってかなり不自然な状態です。「夕方になると首がつらい」というのは、悪い姿勢のせいというより、そもそも体がこういう過ごし方を想定して作られていないから、と捉えたほうが本当だと思っています。 面白いことに、姿勢というのはじっと固めるものではなく、常に微かに揺らぎながらバランスを取っている動きです。一本の棒を手のひらに立てるときに、私たちは無意識に手を細かく動かしてバランスを取ります。あれと同じことが、立っているとき・座っているときの腰や背骨でも起きています。揺れがあるから、姿勢は保たれているのです。 長時間座って同じ姿勢を続けるというのは、その揺らぎを止めてしまうこと。揺らぎが止まると、特定の筋肉だけが頭の重さ(成人で約4〜6kg)を支え続け、血流が届かず、疲労物質が積もっていきます。これが夕方の "重さ" の正体です。 "目先" の対処が、かえって遠回りになることがある 整骨院では、首や肩がつらいというお話を伺うとき、実はちょっとお伝えしにくいことを丁寧にお話しすることがあります。「世間で当たり前のように勧められているケアの中には、やり方や状態によっては逆効果になるものがある」ということです。 強く揉んでもらう・押してもらう:気持ちはいいのですが、強い圧力を繰り返し受けると皮下の組織が硬く線維化していくことがあります。最初は軽く揉まれただけで気持ちよかった人ほど、だんだん強くしないと効かなくなる——これは典型的な悪循環です。 とにかく温める:人間はタンパク質でできているので、外部からの加熱は体を蝕みます。本来の温活というのは自分の中の熱を循環で巡らせることで、外から温めることではありません。 首を引っ張ってもらう:これも要注意です。神経や関節は、引っ張られることに本当に弱い。重力で圧縮されながら成長してきた関節を引き離すと、潤滑が悪くなったり、後年大きな問題を作ることがあります。 痛みを早く取りたい気持ちは分かるのですが、目先の楽さを追いかけていると、そもそもの原因——体の使い方と、環境——から目が逸れてしまいます。 では、本当に効くのは何か。私が大切にしている5つのこと まず、歩く時間を取り戻す...

長時間座っていると、なぜ首がつらくなるのか。

トップ› 姿勢ジャーナル› 在宅ワーク 在宅ワーク 長時間座っていると、なぜ首がつらくなるのか。 水 水島 隆太 みずたま整骨院 院長 2026.04.25 皆さんこんにちは。「朝はそうでもないんですが、夕方になると首と肩がガチガチで……」——整骨院で本当によく聞くお悩みです。けれど、ここでひとつ立ち止まって考えてみたいのです。そもそも、なぜ私たちの体は、長時間座っていると不調を起こすのでしょうか。 そもそも、人間は座り続ける生きものではない 少し大きな話をします。私たち人間は、地上の重力に対応して立ち上がり、歩き続けることで現在のからだを完成させてきました。一日のリズムも、おおむね 3分の2は活動して、3分の1は休む ように出来ています。 ところが現代の在宅ワークは、活動量が減り、座っている時間が一日の大半を占める生活です。これは、体にとってかなり不自然な状態です。「夕方になると首がつらい」というのは、悪い姿勢のせいというより、そもそも体がこういう過ごし方を想定して作られていないから、と捉えたほうが本当だと思っています。 面白いことに、姿勢というのはじっと固めるものではなく、常に微かに揺らぎながらバランスを取っている動きです。一本の棒を手のひらに立てるときに、私たちは無意識に手を細かく動かしてバランスを取ります。あれと同じことが、立っているとき・座っているときの腰や背骨でも起きています。揺れがあるから、姿勢は保たれているのです。 長時間座って同じ姿勢を続けるというのは、その揺らぎを止めてしまうこと。揺らぎが止まると、特定の筋肉だけが頭の重さ(成人で約4〜6kg)を支え続け、血流が届かず、疲労物質が積もっていきます。これが夕方の "重さ" の正体です。 "目先" の対処が、かえって遠回りになることがある 整骨院では、首や肩がつらいというお話を伺うとき、実はちょっとお伝えしにくいことを丁寧にお話しすることがあります。「世間で当たり前のように勧められているケアの中には、やり方や状態によっては逆効果になるものがある」ということです。 強く揉んでもらう・押してもらう:気持ちはいいのですが、強い圧力を繰り返し受けると皮下の組織が硬く線維化していくことがあります。最初は軽く揉まれただけで気持ちよかった人ほど、だんだん強くしないと効かなくなる——これは典型的な悪循環です。 とにかく温める:人間はタンパク質でできているので、外部からの加熱は体を蝕みます。本来の温活というのは自分の中の熱を循環で巡らせることで、外から温めることではありません。 首を引っ張ってもらう:これも要注意です。神経や関節は、引っ張られることに本当に弱い。重力で圧縮されながら成長してきた関節を引き離すと、潤滑が悪くなったり、後年大きな問題を作ることがあります。 痛みを早く取りたい気持ちは分かるのですが、目先の楽さを追いかけていると、そもそもの原因——体の使い方と、環境——から目が逸れてしまいます。 では、本当に効くのは何か。私が大切にしている5つのこと まず、歩く時間を取り戻す...